Pict-Labという新しい取り組みを始めました。
QdslrDashboardと大画面Androidタブレット端末を使ったテザー撮影の運用解説
独立し開業した当初から理想的なテザー撮影の環境構築は私にとって大きなテーマでした。10数年前の当時、地方でテザー撮影の環境を構築している先駆者、特に出張撮影や終日のロケ撮影などで運用をしている方はまだまだ珍しく試行錯誤と模索の日々でした。
前提・経緯
当初から問題意識として解決したかったことは以下の点でした。
〇ほとんどの現場ではノートPCを安全に鎮座させる充分なスペースは確保しづらい。
〇ストロボがほぼワイヤレス化された中、テザー用ケーブルだけがカメラとPCを繋いでいるのがストレス過ぎる。滑落のリスクも高い
〇バッテリーを終日の撮影で持たせるためには非常に厳しい事が多い、また都度電源を確保しケーブルを使用するのもストレス
〇純正アプリは基本的に非常に動作が重く、機能性も低い。またバッテリー交換時などの再接続のタイムロスも出来るだけ軽減したい。
つまり。。。。
〇何処かに置く前提の構造のノートPCでは安定した設置が厳しい。→タブレット型端末を機材にマウントして固定したい
〇また、当時のノートPCでは終日のバッテリー運用はほぼ不可能だった。→外部バッテリーで充電しやすい、そもそも電池運用が長時間可能な端末がいい。
〇病院や工場、事業所などで移動しながらのロケ撮影の場合、都度ケーブルを繋いで接続するのも煩雑→ワイヤレステザー
〇動作が軽く、高機能なサードパーティ製テザーアプリが欲しい。
ハードウェア:iOSもしくはAndroidのタブレット型端末が良いのでは?
ソフトウェア:本当に色んなアプリケーションを探し、試したのち辿り着いたアプリケーションがこれです。
QdslrDashboardという無料アプリケーション
現在iOS版が廃版になっているのですが、諸般の事情で当初から私はAndroidタブレットを用いて運用したいと考えていたため、10年以上このアプリケーションを使用させてもらっています。どうやらNikonカメラとの相性が良いという開発状況もNikon愛用の私にはとても喜ばしい条件でした。完全英語版アプリケーションのため、私の周囲でもユーザーはとても少なく、日本語での情報が殆ど見当たらないのですが、非常に優秀なアプリケーションのためもっと評価されるべきと思い情報を提供したいと思います。
特徴
〇非常に高速なワイヤレス画像転送・表示
〇断線後の再接続が割と早い(カメラのバッテリーチェンジ時など)
〇ワイヤレス接続でのライブビューモニタリング&テザー撮影が強力
〇過去画像のゴースト表示オーバーレイが可能
〇JPEGのみの受信が出来る
〇テザー撮影とカメラ内データ保存が両立できる
〇挙動が非常に安定している
〇アプリケーション上からカメラのほぼすべてのパラメータや設定を変更できる。(Nikonのみ確認済み)
〇高度なスタジオ撮影向け機能(端末オンラインを維持したままワイヤレステザー接続できる→クライアント席にも映像を別モニターで配信)
〇ライブビュー時のグリッドなど補助表示の豊富さ
〇タイムラプスや星系撮影の補助機能の豊富さ
※一部のハイエンドな撮影環境ではテザー表示モニターもキャリブレーション済み、現像後の想定したルックを適用してプレビューしたほうが良い、そのためRawデータを都度転送が必須とされていますが。私の実際の運用では以下の理由でこれらを省略する事で運用の利便性を優先しました。
・モニターをキャリブレーションしても、ロケ及びスタジオでは現場の照明環境の状況により厳密には色評価環境はそもそも構築できない。→実際の現像時のカラマネ環境は構築できているのでオミット、それよりも視認性のほうが重要かも。
・Raw転送で撮影のテンポを落としたくない、テザー撮影プレビュー時のルックはカメラ側のJPEG現像コントロール機能(メーカーによって名称が異る、Nikonはピクチャーコントロール)によって大まかに適用可能なため、テザー端末側でのルック適用はオミット。JPEGのみを転送するシステムでスピード感を重視した。
あくまで感覚値である部分もありますが、テザー撮影の環境構築で悩んでいるカメラマンさんは非常に多くいらっしゃいますから上記の特徴が魅力的に感じるなら是非一度試してみてください。
ちなみに、私も試していないのですが、本アプリケーションではWindows端末など接続用のインターフェイスが複数ある場合、(USBポートやWifiアダプタの増設)一つのアプリケーションで複数台のカメラを同時に接続、テザー撮影が可能らしく。一斉シャッターなど高度な機能が備わっているらしいです。。。詳細が判明次第追記致します。
セットアップ(カメラ⇔端末の接続)
〇まずはカメラから「スマートフォンと接続」かそれに類するメニューを選択し、WifiDirect接続のホスト状態を起動してください。
↓
〇端末側からカメラがホストとなるカメラのWifiネットワークに接続します。コントロールパネル的なメニューからOSレベルでの接続です。カメラ側の設定によりパスワードなどが求められる場合がありますので適宜対応してください。
↓
〇QdslrDashboardアプリケーションを開きます。
アプリケーションを起動すると上記の画面が表示されます。TOPエリアに横方向にボタンが並んでいます。
①USB接続リクエストボタン
USB有線接続でカメラと接続した場合のアプリケーションレベルでの接続確立リクエストボタンですが、タブレットなどのモバイル端末ではUSB通信の規格や安定性があまり良くないものも多く、私は殆ど使用していません。
②インフラストラクチャー接続リクエストボタン
後述するのですが、テザー端末側をオンラインにしたままカメラと接続する場合のボタンです。スタジオ撮影などでテザー端末にも、別のクライアント席のモニター等にも画像を表示したい場合などに使用します。
③ワイヤレス接続リクエストボタン
カメラと端末でPtoP接続のワイヤレステザーを確立するためのボタンです。メーカー毎に分けられています。
④画像ビューワ起動
画像保存場所のフォルダを参照して過去の画像などを表示するためのボタンですが、実際の運用上ではこの場所のボタンからビューワを起動する事は殆ど無いと思われます。
⑤各種補助ツール起動
タイムラプスや星系撮影などの各種計算を行うために便利なツールが起動できます。
⑥アプリケーション設定
各種設定を行うメニューを呼び出します、後述します。
⑦アプリケーション終了
↓
ここではワイヤレステザー接続のために、使用予定のメーカーのボタンを押しましょう。画面左側の接続処理ログリストに項目が追加されて、使用するカメラが認識されたようなメッセージが表示されたら後は少し待つだけ。接続成功です。
ちなみにこの接続リクエストボタンを長押しすると「IP Adress」[Port番号]を変更する機能が呼び出されますが基本的には触りません。この数値を間違って変更してしまった場合は以下を参照して正しい値に訂正してください。私の環境ではこの長押しによるパラメータ変更画面はNikonボタンだけが有効でした。
Nikon IPAdress 192.168.1.1 Port 15740
接続確立後のUI・基本操作
接続確立後はTOPメニューバーは隠され、代わりに左側のメニューバー、右側のメニューバー、下側に緑色の情報エリアが表示されます。まずは各ボタンを解説します。
①ライブビュー開始ボタン
端末側でカメラの捉えた映像をモニタリングします。この機能をONにすると画面全体のUIに少し変更があります。後述します。
②シャッターボタン
遠隔で端末側からカメラのシャッターを切ります。Bluetoothなどでキーボードを接続している場合Altキーがショートカットキーとして固定登録されています。
Blutooth系のリモコンユニットなどがあれば実質リモートレリーズ的な運用が可能かもしれませんね。
③AFボタン
カメラのAFスタートを実行します。設定によりライブビュー時、①映像の当該箇所をタップしたらその場所にAFを実行する挙動と、②タップするとポイントがその箇所に移動し、AFボタンを押すことでその箇所にAFスタートするという二段階動作が任意で設定できます。
④露出ディレイ機能
同じような二つの機能のボタンですが、カメラ側の機能を使って露出ディレイを行う上側のボタンと、アプリケーション側の機能としてシャッターのタイミングを操作する機能の二種類が使い分けできます。
⑤コントロール権限切り替え
ライブビューを起動した場合、カメラの操作の主な権限は端末側が握る事になります。(HostMode)その場合、カメラ側は(Nikonの場合ですが)スマートフォンと接続中と表示され、カメラ側での操作がロックされますが、このボタンを押してcameraMODEにすることで、ライブビューにてテザー撮影中もカメラ側で露出や設定の変更、シャッターなどの操作が行えます。
⑥TOPメニューバー表示
アプリケーション起動時に表示されていた画面上側のメニューバーを表示させます。アプリケーションの設定画面など利用する時以外は使用しないでしょう。
⑦カメラ設定メニュー表示
カメラ側の各種設定、露出に関わる以外の撮影画像サイズや撮像範囲、各種補助機能など多くのカメラ側の設定をこちら側で偏光する事が可能です。このあたりの項目の深さがNikonカメラと相性がいいという指標に思えるため、他のメーカーでどこまで対応しているかはこちらでは未確認となります。また、Nikonでもカメラ側のすべての設定項目が表示されるわけではないようです。この画面に関しては後述します。
⑧ヒストリー表示
接続確立後からの撮影画像がサムネイルとしてリスト表示されます。あまり使わないですね。。。。
⑨ビューワ起動
接続確立後に端末側に保存された画像の閲覧や、接続中のカメラ側の保存画像を参照して端末に読み込んだりも出来ます。また軽快な動作のために扱う画像をRaw・JPEGなどから絞り込むことが可能です。
⑩直近撮影画像の表示
最後に撮影した画像を簡易的に呼び出してビューワで表示します。
⑪タイムラプスメニュー
タイムラプス撮影をアプリケーションを利用して撮影するための機能を呼び出します。殆ど使っていないのであまり詳しくないです。。。
⑫インターバルタイマー機能
時間おきにシャッターを自動出来るインターバルタイマーの機能を呼び出します。
⑬カスタムBKT機能
カスタムBKT機能を呼び出します。
⑭水準器表示
カメラ側の水準器表示を端末側のライブビューにオーバーレイ表示させます
その他
〇DOF Calc
〇Rule600
このあたりは星系撮影用の計算機能、また焦点距離とボケ味などの計算が出来る機能ですが、私は殆ど使っていないのですいません。。。
画面下側UI
画面下側には基本的な露出パラメータなどが緑色の文字で表示されています。そこをタップする事でそのパラメータを変更する事が可能です。この際、ホワイトバランスの色温度やISO感度はカメラで設定するよりも細かく微調整する事が可能となっています。
基本設定メニューに関して
具体的な使用方法に進む前にアプリケーションの基礎設定画面を解説して、正しい自身に合った設定方法を知りましょう。先述のTOPメニューボタン群の中のアプリケーション設定画面です。
□General Setting
〇Full Screen Display
アプリケーションをフルスクリーンで起動するかどうかを決定します。
〇UseUSBDk USB access/Use Android native USB access
Windowsで運用する場合、カメラとWindowsをUSB経由で接続した場合にWindowsが気を利かせてデフォルトの接続方法を優先して確立させてしまい、本アプリケーションの接続が阻害されてしまうため、この機能を使ってWindowsを使用した際にスムーズにカメラと本アプリケーションが接続できるようになります。この項目は端末のOSによって表記が異なりますが、USBの接続確立の方法を最適化するためのものだと思ってください。
〇Connect to all detected DSLR
先述した通り、このアプリケーションでは一台の端末で同時に複数のカメラを接続・管理・撮影が行えます。これはその接続確立をスムーズにするためのボタンですが、使ったことがありません。
〇Sync DSLR DATE/TIME
恐らく、接続時にカメラの時計と端末の時計を同期させる機能ですが私の端末とカメラでは同期したかどうか確認できたことはありません。
□Capture Settings
〇Show Capture History after Capture
撮影後、自動的に撮影履歴がサムネイルとしてフィルムストリップのように表示される機能ですが、基本的に撮影後は当該画像が直ちにプレビューされることが望ましいので基本的にはOFFが良いと思います。
〇image review after capture
撮影後直ちに当該画像が全画面表示されます。また基本画面の左右のメニューボタン群は非表示状態となるため、続いてシャッターを遠隔で切る場合は画面を基本画面に戻す必要があります。プレビュー時のヒストグラムやExif情報の表示・非表示なども選択できます。左右にフリックする事で過去の画像を遡る事も可能。時間経過により基本画面に戻る事はありません。
〇Quick image review after capture
同じように直ちに撮影画像が全画面表示されますが、上記との違いは①時間経過により基本画面に戻る②画面左右にメニューボタン群が表示されたままのため、そのまま次のシャッターに移る事が可能。③プレビュー時の選択オプションが上記よりも簡易的である。
この二項目の使い分けはユーザーの利便性の感覚で選ぶべき重要なポイントでしょう。
〇Show Quick image review in full screen
上記のQuick image Reviewを選択した際に、さらにプレビュー画面をフルスクリーンとするため左右のメニューボタン群が非表示になります。そのため、ある意味においては利便性が落ちるかもしれません。
〇Add GPS info to local captured images
端末側の保存データにGPS情報を埋め込むか否かですが、基本的にJPEGだけを表示用に保存するだけなので私はこれは使いません。
〇Synchronized captured
先述のマルチカメラ接続運用において、この機能を使えば同時シャッターが行えるとの事でした。
〇Restore Nikon HDR setting after capture
Nikonの一部機種におけるHDR合成に関する機能ですが、使用していません。
〇use Canon local storage
Nikonの通信プロトコルではテザー撮影においてもカメラ側にマスターデータとして撮影画像が保存されますが、Canonではデフォルトでカメラ側にデータ保存されないそうです。それを補うための機能。
□Live view settings
〇auto start Live view
テザー接続確立後、直ちにLiveViewを起動するかどうかを設定します。
〇AF after focus point change
ライブビュー時のAFの挙動を選択、①映像内をタップするとフォーカスポイントがそこに移動→AFボタンでそこに合焦②映像内をタップするとその箇所に直ちに合焦。これを切り替えることが出来ます。
〇Record Live View while movie recording
動画モードでライブビュー時、RECを開始すると端末側でもライブビュー映像を動画として収録します。カメラ側のマスターデータとは全く別の形式な簡易な収録です。ただ、私のカメラで対応していないのか、収録データを確認できたことがありません。
□GPS settings
〇use USB GPS NMEA receiver
テザー端末側に特定の外部GPSアダプタなどを使用する際の機能だそうですが。。。使ったことがありません。
□Net Working Settings
〇allow connection sharing
後述するインフラストラクチャーモードで端末をオンラインのままテザー接続したい場合は必須の機能です。
〇Connection loss audio notification
カメラとの接続が失われた場合に音声アラートでお知らせしてくれます。端末をディレクターさん等に預けて、カメラマンは少し離れて撮影する時などに復旧を促すお知らせとしては便利なのですが、けっこう派手になり続けるので私はOFFにしました。
□image related settings
〇delete thumbs on exit
アプリケーション終了時にサムネイルキャッシュ?のようなものを自動消去するか?そして今すぐに消すか?という機能。。。だと思っています。
〇Load image info's for images already on camera SDcard
カメラ内Sdカードから画像の情報などを参照するという機能のようですが、どのような挙動に変化があるか未確認です。
〇Use Nikon high speed transfer
明らかにNikon製カメラにおいて画像を高速転送する規格をON/OFFするボタン。迷わずONにしました。
〇Allow raw only in LRTimelapse-mode(Nikon)
タイムラプス撮影において、RAWだけで撮影するモードを許可するか。。。。使っていないので分かりません。
〇Folder for local images
テザー端末側で受信した画像の保存ディレクトリを指定できます。
〇FIle name prefix
テザー端末側で受信した画像のファイル名のリネーム規則を指定できます。が、基本的にカメラ側のファイル名と同様のファイル名で保存されているようです。。。謎ですね。
上記設定を自身の撮影環境に合わせて設定し、実際の運用に進みましょう。
ライブビュー時のUI変化と機能
このアプリケーションの強力な機能、ワイヤレステザーでのライブビューモニタリング機能です。詳細を解説していきます。俯瞰撮影などのスタイリングの確認など、一度使うと手放せない強力な機能です。また、純正アプリケーションでワイヤレスライブビューモニタリングに対応していない機種でも、このアプリケーションの利用によりワイヤレス接続ライブビューモニタリングが可能といったカメラも確認されています。Z50Ⅱなど。。。
ライブビューを開始すると画面に映像が表示され、UIにも少し変化が起きます。
〇操作優先権の切り替えが端末側のホストモードに切り替わる
(カメラ側は操作が一旦ロックされます)当該ボタンを押し、カメラモードに戻すことが可能。
〇動画モードライブビュー起動ボタンが表示される
それに付随してREC開始ボタンも表示され、音声インジケータなどのUIも新たに表示、映像のアスペクト比はカメラ側の設定に合わせて変更、映像のルックも同時に反映されます。しかし、一般的なフィールドモニターとしての運用は遅延の関係で厳しいと感じます。実際の運用上は動画現場で使ったことはありませんが、高所固定など遠隔でリモート操作しなければならない場合は有用かもしれません。
〇左下謎の①②ボタン。。。
これが謎です。判明したら追記します。恐らくフォーカススタック系の登録ボタンじゃないかな。。と思っていますが。
〇フォーカス調整ボタン群が表示される
商品撮影時など、フォーカススタックを行う場合などは便利かもしれません、フォーカス送りがワンタップで行えますが、実際の利便性としては。。。。
〇画面右下にライブビュー詳細メニューボタン群の表示ボタンが現れる。
これが神機能の入り口、ライブビューの詳細設定や便利機能が設定できるメニューボタン群が表示されます。以下詳細解説します。
※追記 ↓
〇画面右下にグリッドのようなアイコンが現れる
これはフォーカスポイントリセットボタンでした。
ライブビュー詳細メニューの機能
〇Focus Stack
被写界深度合成のため等、段階的に合焦位置を移動させながら撮影を行うためのモード。使っていません。。。
〇拡大ツール
+・FULL・-ボタンを使用して、ライブビュー映像を拡大などコントロールできます。また、各大事画面内の任意の位置をタップする事でその方向に映像を移動させることが出来ます。
〇LLVVボタン(ゴースト画像オーバーレイ表示機能)
撮影済みの任意の画像をライブビュー映像にオーバーレイ表示させて画面構成のガイドとして運用できます。物撮りなど線を揃えたりする撮影の際に便利。または雑誌の表紙などのテキスト位置が既に決まっている際にラフページなどを撮影して、余白の管理などに用いることが出来ます。以前は撮影画像でなくても保存フォルダ内にある画像は全てここで読み込むことが出来ていたのですが、バージョンアップでそれが出来なくなりました。しかし、撮影画像JPEGにPhotshop等で黒のべた塗りと想定テキストや余白などのガイドを乗せて上書き保存し、当該フォルダに保存する事で読み込むことが出来ます。定期的に撮影しているチラシなどのKVレイアウトなどを登録しておくことで撮影がスマートになります。
〇ヒストグラム表示設定
ライブビュー時に表示するヒストグラムの種類・有無を選択※一括してOSDボタンで切り替え
〇LVフィルター
ライブビュー映像に特殊なフィルターを掛けて表示しますが撮影データには影響しません。遊びみたいな機能です。恐らく、フィールドモニターのスコープのような運用ほど厳格な機能ではないと思います。※一括してOSDボタンで切り替え
〇BLV
情報によれば暗所でも明るく表示するかどうか、またAFに関する設定とか。。。よく分かりませんでした。
〇Cross
センターポイントなどの画面構成ガイドの種類を選択。※一括してOSDボタンで切り替え
〇Crop
x1.2とx1.5のクロップガイドを表示・選択します。※一括してOSDボタンで切り替え
〇OSD
種々のライブビュー画面の表示の有無を一括して切り替えます。
〇Grid
画面構成ガイドとしてグリッドの種類を選択します。※一括してOSDボタンで切り替え
〇AR
アスペクト比のオーバーレイ表示ガイドの種類を選択。※一括してOSDボタンで切り替え
〇FLIP
表示映像の左右・上下の反転を選択。※一括してOSDボタンで切り替え
〇cZoom
中央部にマニュアルフォーカス用ガイドとして拡大エリアを表示するかを選択します。※一括してOSDボタンで切り替え
カメラコントロールなど詳細設定画面
〇カメラコントロール機能の詳細
先述のメイン画面右側メニューボタン群、上から二番目のボタン(カレンダーみたいなボタン)を押すと、カメラ側のパラメータ変更を含む最も詳細なメニューに移動する事が出来ます。Nikon機でしか検証していませんが、AFモードやホワイトバランスをはじめ、動画の収録設定やカードスロットのデータ振り分け設定やピクチャーコントロールなどの多くのパラメータを変更する事が出来るようになります。上層の多くのボタンはこの中から開発者がショートカット的に上層に表示させたものとなります。恐らく接続するカメラの機種により表示内容が大きく異なります。
〇ライブビュー映像品質の変更
特筆すべきは、上記のメニュー内で重要なのはライブビュー映像の品質の管理項目です。上記画像、分類項目Live Viewの中の右から三番目と四番目のボタンで状況によって使い分けることが可能です。
ビューワ機能の詳細
接続確立後に、画面右側のメニューバーのビューワ起動ボタンを押すことで展開する機能です。
〇ビューワの参照元を上の階層に移動
このビューワではテザー端末内に保存された接続確立後の画像及び接続されたカメラ内のストレージを参照できますが、その参照元を変更する際に上層に表示を切り替えるためのボタンです。
〇画像プレビューモード/ファイル選択モード切替
画像サムネイルをタップした際に、プレビューを全画面で表示するか、ファイルとして選択するかを切り替えます。主にカメラ内ストレージにアクセスして特定のファイルを転送させたい場合に使用します。
〇表示内容を更新
表示フォルダ内のサムネイルを更新します。
〇選択項目をダウンロード
上記選択モードでファイルを選択している場合、当該ファイルを端末に転送します。
〇選択項目を消去
上記選択モードでファイルを選択している場合、当該ファイルを消去します。
〇表示ファイル種類を選択
サムネイルに表示及び転送するファイル種類を限定します。接続速度や端末性能によほど余裕が無い限り、ここではJPEGのみを選択しておくことで動作が軽快になります。多くの端末ではRawデータ一枚を展開するだけでフリーズの危険が高まるでしょう。
〇サムネイルをソート
サムネイルの並び順を変更します。
〇接続確立後の撮影画像を表示
カメラと接続した後に撮影した画像がサムネイル表示され、プレビューが可能です。以前にカメラ接続していた際に撮影した過去の画像を参照したい場合は画面上部のトップメニューバーを表示させて、同様のビューワ機能ボタンがありますから、そこから開くと、単純に端末内にローカル保存されている撮影済み画像が全て表示されます。
〇カメラ内ストレージにアクセス
現在接続を確立している以前に撮影された画像も含めて、カメラ内に保存されている画像をカメラにアクセスして参照します。rawは選択解除しておいたほうが良いでしょう。また、タップの回数で選択・非選択の切り替え、及びキーボードなどを使用する場合はShiftキーなどを併用する事で複数選択が可能です。
全画面プレビュー画面の詳細
画像ビューワからファイルを選択した場合も、撮影後の画像プレビューでも、最終的な全画面表示では同様のUIに遷移します。以下に解説します。
〇表示画像の切り替え
全画面表示時に左右にフリックする事で前後のデータに切り替え閲覧できます。
〇表示画像種類選択
ここでもRaw/JPEGの転送種類の絞り込みが可能です。Rawが転送されても時間がかかれば受信後Rawn内のプレビューデータを基に画像を表示しますが、プレビュー画像をタップしたり拡大しようとすると本データから画像を展開しようと処理を開始するような挙動で、フリーズのリスクが高まります。基本的にこのアプリはプレビュー用途のJPEGを転送する用途として考え、まずはこの切り替えを設定しましょう。
〇画像ロック切り替え
画像のロックボタンですが、ロックされたことを確認した事がありません。。。
〇画像回転基本モード切替え
あらかじめ縦画像を横位置で表示したいなど、デフォルトのプレビュー回転角度を指定できます。その後撮影した画像にも反映されます。
〇Exif情報表示・種類切り替え
Exif情報の表示や種類が選べます。
〇ビューワメニュー表示・非表示ボタン
上記メニューボタンの表示・非表示が切り替えられます。表示している間は画面下側にフィルムストリップも表示されます。
〇Quick Image Viewerをアプリケーション設定で選んだ場合の挙動
アプリケーション設定でQuick image Reviewを選択した場合は、撮影後の画像プレビューが簡易化されます。
①左右のメニューボタン群が隠匿されず、すぐにそのボタン操作に移れる。
②ヒストグラムなどの表示のカスタムができない(通常のプレビュー画面の設定に同期される)
③時間経過でプレビューは自動的に終了しメイン画面に遷移する。
④左右フリックで画像の切り替えは可能
高度な運用方法
スタジオでの撮影において、複数人のスタッフや製作チームだけじゃなくクライアント様のお席にもプレビューを表示して、チーム全体で情報共有しながら撮影を進めたいと思うことが多いです。テザー端末本体はカメラマンとその付近で、離れた位置の例えばソファ席の別のモニターにもプレビュー表示、しかもカメラとテザー端末は変わらずワイヤレス接続で。この夢のような環境を構築する方法を解説します。
前提となる条件
まずは条件としてワイヤレステザー接続にはカメラと端末がWifiで繋がる事が必須ですが、そうなると端末はOFFLINEである事が障壁となります。それを乗り越えるための今回の方法、解決する条件としては
①撮影スタジオ内の無線LANにアクセス出来ること(ゲストモード等の単なるインターネット供給ではない。つまり自社スタジオじゃないとセキュリティ的に厳しいかもしれませんね。)
②スタジオ内ネットワークつまりルーターに有線接続しているWindowsPC、そしてそのPCにQdslrDashboardをインストール、またスタジオネットワークのWifiとは別系統で当該WIndowsPCにUSBワイヤレスLANアダプタを装着。これはつまりWIndowsPCがカメラとテザー接続する際に、スタジオ内LANに有線でアクセスしたまま、別系統(USBワイヤレスアダプタ)でカメラとワイヤレステザー接続を確立出来ることを意味します。ノートPCで有線LANコネクタポートがある場合は別途USBデバイスを購入する必要もありません。試していませんが、有線LANポートが無いPCでも増設によりワイヤレスLANへの接続を二系統確保できれば可能かもしれません。弊社は元々WindowsPCが社内ネットワークに有線接続していたためこの方法となりました。
③ChromeCastなどのAndroid端末と相性のいい画面配信用デバイス。これをクライアント席などのモニターに接続します。
実際の接続方法
①まずはカメラと先述のWIndowsPCをOSレベルで接続、先述の通りその後QdslrDashboardを起動しワイヤレステザー接続します。この時に、接続したWindowsPCが社内ネットワークに繋がっていること確認して下さい。
②撮影時に使用する際のAndroid端末をWIndowsPCと同じネットワークにワイヤレスで接続します。
③あらかじめAndroidのGoogleHomeなどの画面共有用アプリケーションを使用して、クライアント席のモニターにAndroidの画面を共有します。
④Android端末でQdslrDashboardを起動します。(当該アプリのUIがモニターに共有されています。)
⑤起動時画面で②インフラストラクチャー接続リクエストボタンを押します。トーナメント表みたいなボタンですね。
⑥端末のQdslrDashboardとWindowsPC側のQdslrDashboardがリンクし、WindowsPC側のアプリがブリッジの役割を果たし、社内ネットワーク経由でテザー接続をAndroid端末に中継させてリンクさせてくれます。
ブリッジ接続はQDserverというアプリケーション設定に全く名前が出てこない高度な機能で自動的にQdslrDashboadが同じアプリに接続をバトンタッチしてくれるという神機能なのですが、アプリケーション設定に出てくるAllow Connection SharingのチェックボックスをONにしておくことで実現します。
このインフラストラクチャ接続リクエストボタンも長押しするとIPアドレスとポート番号が変更できるのですが、ここで言うIPアドレスはWIndowsPCのIPアドレスとなります。その際、IPアドレス自動振り分けなどをWindowsPCに設定していると、時々この端末間のリンクが迷子になります。WindowsPCを固定IPアドレスにして、さらにカメラと接続する側のWifiアダプタをOS設定でインターネット回線を要求しないオフライン専用接続であることをOSレベルで認識させておくことでトラブルを抑えることが出来ます。またポート番号は4757固定としてください。このあたりは沼が深いのですが今流行りのGeminiやチャッピーに相談すると驚くほど適格な対策を提示してくれますよ。
⑦中継役のWindowsPCの接続画面は起動時のオフライン画面に戻りますが、画面下に中継して接続しているカメラ名が表示され、ブリッジとして機能していることが明示されています。
⑧テザー端末側はスタジオ内ネットワークに接続済みオンラインのため、クライアント席のChromeCastへの画面共有は維持されたままカメラと接続が確立されている。
☆ONLINEであることのメリット:複数画面に対する画像表時だけでなく、これにより、撮影後の画像をチャットに流したり、オンラインストレージに仮画像としてアップロードするなどスマートな連携が可能です。
☆人物撮影等で縦位置撮影の画像プレビューを画面共有モニターに表示させる場合の話。テザー端末に関しては縦位置に設置するとOS及びアプリ側も縦位置モードに移行して、撮影画像も最大化して表示可能です。しかし、モニターが横位置で設置されていると画面に対して中央に縦のタブレット画面の映像が表示されるだけで、余白が大きくなって勿体ないですね。その場合、モニターを縦位置に回転させて設置し縦位置表示を行いたいはずです。ただ、一般のモニターを物理的に縦位置に設置しても表示方法は全く変わらないので真ん中に縦画像が表示されたまま回転されるだけです。そこで以下の設定を行う事で①テザー端末②クライアントモニターどちらにも画面を隅々まで活用した縦位置画像表示が可能です。
①テザー端末のOSで画面回転をOFFにする(横位置表示固定モード)
②先述のプレビュー画面の設定ボタンのうち『画像回転基本モード切替え』ボタンを使って、横位置表示固定モードのままプレビュー画像は全画面表示になるように90°回転させる。
③クライアント席のモニターを物理的に回転させて、縦位置画像が全画面表示されるように設置します。
※テザー端末は縦位置に表示されて、プレビュー画像も縦位置に表示されますが、アプリケーション等の他のUIは横位置固定モードなので、画像の切り替え時のフリックの方向などは注意が必要です。
注意するべき点
〇基本的にJPEG転送運用を想定したシステムである
数あるテザー系アプリケーション同様、ワイヤレス接続においてRawデータの転送はデータ通信スピードの観点でもかなり厳しいのが現時点での実情です。本アプリケーションは基本的にスピード感の重視のためJPEGでのプレビューに特化、基本的にはカメラ側でRaw+小サイズのJPEGを設定し可能な限り軽快なデータ転送を目指します。
〇プレビュー画像に対するルックの調整方法は無い
有料系アプリケーションのようにプレビュー画像に対しルックを変更するフィルターやトーンカーブなどの各種ツールは搭載されていません。カメラ側のJPEGパラメータ設定(ピクチャーコントロールやクリエイティブルック、フィルムシミュレーションなど。。)を活用し、弱点をカバーしましょう
〇アプリ切り替えや、モニターOFFの弊害
これはアプリケーションというよりはAndroid等の端末・OS側の仕様に起因するものですが、多くのAndroidタブレットでは画面に表示されていないアプリケーションのバックグラウンドでの稼働は大きく制限されるため、本アプリケーションを使用して接続を確立している最中に画面をOFFやホーム画面に戻る、別アプリを起動するなどを行うとWifi接続が断線したりする可能性があります。端末により設定でバックグラウンドでも起動状態を維持やタスクキルしない。等のオプションが設定できるものもあるため、それを活用して利便性を高めましょう。
〇USB接続が弱いかもしれない
AndroidOSのモバイル系端末はUSB関連のパーツや規格がMacOSやWIndowsほど堅牢・高速でない機種が多いように感じます。(あくまで私見ですが。。。)実際にUSB接続でのテザー撮影の検証などを詳しく行った経験は薄いですが、現在の私の環境ではスピードは確かに出るが、安定性が少し弱くフリーズ・断線が多い印象。そもそもUSB接続を行うメリットが少ないように感じます。
①USB接続の目的が=RAW転送を想定している場合、このアプリでRaw転送を行うメリットが少ない(Raw現像機能(ルック変更やカーブ等)がそもそも搭載されていないため、またRawデータ展開能力もそれほど強力ではない)
②USBポートをテザー接続・転送に占有させるよりも、充電ポートとして運用したほうが安心
③JPEG転送だとWifiテザーでも十分高速
物理的運用の最適解を模索
〇大きいは正義・可搬性は絶対・バッテリーは命
テザー撮影の画面は大きければ大きいほど良い、これは長年タブレット端末を買い替え続けて実感した事です。紆余曲折の結果、現在Android端末GalaxyS8Ultraという14インチ級の端末を使用しています。非常に薄型且つ大画面。ライブビューを使用せず画面の輝度などを適正に管理すれば朝から夕方までの撮影でも充電なしでフルタイムテザー撮影がなんとか可能です。
〇置くのではなくマウント
当初よりノートPCでの運用を避けたのは商品撮影など同一場所で撮影を続ける場合ならまだしも、病院・工場など事業所のHP撮影や、店舗など各種取材などでは、端末を安全に置くスペースを確保っていうのが割とハードルが高く、それほど安全性が高い方法とは言えないように感じていました。また、そもそもディレクターさんにずっとノートPCを持ってもらっておくのも非常に大変。。。そこでタブレット端末裏側にバイクやサイクリング向けのスマホ固定用のマウントアダプターを張り付け、置くのではなくマウントするという方針で環境を構築しました。
弊社ではスマホマウント系商品の老舗、Tigraを採用し、各接続アダプター等を活用し、撮影機材はじめ想定される箇所にマウント・設置できるように工夫しています。ただ、現在このシリーズは廃版になっているため今後導入したい方はQuadLockやRECマウント等のシリーズを導入する事をおすすめします。
・タブレット裏側のベースプレートを起点として、各種アダプタを使用して接続・設置の利便性を高めた例
※ディレクターさんに預けて手持ちで移動しながら随時撮影する際のハンドルリング型アダプタ
※三脚に直接マウントさせる場合のアダプタ。ダブルロック機構で安全性も高い
撮影用カートに直接マウントして、統合された撮影拠点として稼働させる場合の設置例、別途バッテリープレートもカートにマウントし、電源運用の持続性も確保可能
ドリーポッドや、カメラスタンドにもマウントしスタジオ内でのプレビュー環境をスマート化
〇他のアプリケーションとの併用
最近のタブレット端末は画面分割によるマルチアプリケーション起動が可能なため、これを活用し最新の画像を表示させるためのQdslrDashboardと過去画像や現状キープの画像などを随時表示できる画像ビューワソフトを同時起動し、撮影時の意思決定を補助するようにしています。また、その際に縦位置画像の撮影の際には画面を横にし左右に分割する事で画面を最大利用し、横位置撮影の際には端末を縦位置利用して上下に分割表示するといった工夫で、ノートPCには出来ないフレキシブルな画面の運用が可能となります。大画面のタブレット端末を最大限利用した活用方法です。
まとめ
テザー撮影に求めるものはカメラマン・受注している現場の内容、立ち会うスタッフのニーズにより様々で、今回ご紹介したスタイルが究極的正解とは思っていません。ハイエンドな現場ではやはりPC+カラマネモニター+有線接続&Raw転送→ルックの再現なども必須であると思うのですが、地方において多種多様な現場をお手伝いしていると必ずしもそこまで機材も予算も確保できない事が多いのも事実。ただ、チーム全体・お客様含めて大画面で仕上がりに対する評価や方向性を共有すること自体はとても有用な事であり、今後の写真業界でもテザー撮影は重要な付加価値として発展していくと思います。日本ではこのアプリケーションのユーザーはさほど多くなく、情報もここまで詳細に解説している記事はほぼ皆無かと思いますので、テザー撮影の環境構築に悩む同業の方々の一助になれば幸いです。そして、それでユーザーが増えてQdslrDashboadrがもっと便利なアプリケーションとして発展してくれたら,めっちゃ嬉しいでーす(笑)